2011年5月26日木曜日

ほっとステイ・田舎暮らし便り(蓼科より)

平成23年5月26日,木,晴のち曇 夕方から雨

今月11日,23日,25日と3回,ほっとステイのホストを務めた。
横浜市の中学2年生徒達だった。
1班は,6〜7名の男女混成グループだった。

大型バス4〜8台で,100〜300人と大部隊で来るので,受入の役員達は受入れ家庭を手配するのが大変なようだ。少ないときでも20戸,多い時は40戸も手配しなければならない。子供達を各戸に配って廻る。

私の場合,9時半頃に商工会事務所前にした。3回とも,子供達は皆元気で礼儀正しく素直だった。しかし,先生方とカメラマンはホストに対して挨拶ができない。
3回ともだ,何というご粗末。
もしかしたら,お金を払ってるんだから自分達はお客だなんて思っているのだろうか。
それにしてもだ!

お茶を飲みながら自己紹介し,行動予定を打ち合わせる。
午前中は,農作業体験をいろいろさせるようにした。野菜の種蒔き,野菜の苗定植,草刈り(鎌の使い方),草むしり,ミツバチの観測,等々。
午後は2kmほど離れた田んぼの不耕起栽培を見せた。私の田んぼにいるいろんな生き物を見ながら生物多様性について話した。子供達は皆熱心に聞いてくれた。結構楽しそうにしていた。

お昼のみそ汁は,生徒に畑の野菜を採らせてそれを具にした。皆それを美味しいと悦んでいた。

気になったのは,生活の基本動作ができないことだ。
帚も鎌も使えない。鉛筆は削ったことがないという。移植ゴテを使かわせても誠にぎごちない。果たしてノコギリや金槌は使えるのだろうか。まるで開発途中のロボットの動きを見ているようだ。

もっと気になるのは,全てに女子が勝っていることだ。行動,話,リーダーシップ,全てがそう見える。2kmばかり歩いたら,男子生徒の方が二人途中で座り込んでしまった。いったいどういうことだ!

ミツバチの観測で面白いことに気がついた。基本的に,乱暴なことをしなければ日本蜜蜂は刺さない。私が蜂を手に乗せて,「刺さないからそばにいらっしゃい」と言っても,何としても2m位遠ざかっていて寄って来ない。
私が信じられないのではなく,ただ「怖い」のだ。「蜂は刺すもの。怖いもの」という先入観が深く染み付いているらしい。一人だけ私のそばに来た男子がいたが,後は全員ダメだった。

わたしはこの様子を見て,今毎日マスコミで大騒ぎしている放射線のことを思い出した。「放射線は怖いもの」。それが全てになっているところはこの子供達と同じだと。科学的に論理的に考えること行動することを,頭から拒否しているのだ。

更に驚いたのは,彼等ほとんどが,ミミズもカエルも気持ち悪いという。見ただけで悲鳴をあげる。そこで彼等に判り易く話してやった。「自然環境は大切だよね。このすばらしい緑と大地を守ってくれているのは,ミミズやカエルを初めとして,たくさんの昆虫や微生物なんだよ」と。「もし地球から蜂がいなくなったら人間は生きて行かれないんだよ」と。
みな,帰る時には「ミミズもカエルも好きになれそうです」と言ってくれたのは嬉しかった。

子供達といるととても楽しい。
午後3時に商工会からバスを見送った。手を振ってくれた。

ほっとステイのホームページ
http://www.murada.com/



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